「天気 ー 豪雨災害の記録と未来への教訓」

晴天ーアイキャッチ画像 Weather

私の住んでいる秋田県秋田市は2023年、豪雨災害で住居や家財・自動車等が冠水して大きな被害を受け、住民が平常の生活を取り戻すまで大変な時期がありました。
原因は河川の氾濫だけでは無く「内水氾濫」と呼ばれた下水道インフラの崩壊が大きな一因でした。
この災害を今後の教訓として活かすことができるように願いを込めてブログ初入稿です。

(この投稿ページは、みんなのカレッジ講習の最終課題のテーマ「天気」をベースに加筆しました。)

1. 新海誠監督の映画「天気の子」

映画公式WEBサイトのリンク https://tenkinoko.com/

天気といえば「新海誠監督」。
映像に清々しい晴天と降り落ちる雨が登場する作品で、私もたくさんの感動を与えて頂きました。
名作となった「天気の子」も監督が得意とする雨と神事を融合させた作品で、気象と人心の繊細さと躍動感が上手く表現されており、何度見ても心が躍る傑作です。
作品中ではヒロインが祈ると雨天がみるみる間に晴れに変わる「晴れ女」。
アニメならではの世界観は清々しく「天晴れ!」でした。
アニメの影響で雨天も好きになった私でしたが、そんな気持ちも一変してしまう、リアルの災厄に遭遇してしまいました。
 

2. 2023年7月 豪雨災害の記録

2023年7月、語り継がれる災厄となった豪雨災害。
水害が間近に迫り、アニメとは真逆の、リアルの天候の厳しさを思い知る事になりました。
当時の惨状はTVニュースやWEBでも数多く報道されていましたが、今では平常の生活に戻り、過去の記憶として希薄になりつつあります。
今回の災害が稀である事を願っていますが、これは太陽活動期と地球温暖化の影響とも言われており、再び起こる可能性が指摘されています。
WEBに残る当時の記録を御覧ください。

日テレNEWS YouTube より

個人投稿 YouTube より

3. 気象データからの考察

災害当時の累積降雨量グラフです。
7.14~7.16の3日間で例年7月1カ月の1.5倍の雨量が観測されていました。
秋田地方気象台が発表した災害時資料によると、
「梅雨前線が東北北部に停滞し、前線に向かって暖かく湿った空気が流れ込んだため、7.14~7.16にかけて広範囲で非常に激しい雨となった。
総降水量は、多い所で400ミリを超え、解析雨量では局地的に約500ミリとなる記録的な大雨となり、72時間降水量が観測史上1位を更新した。」
と記述があり、重大な災害であった事がわかります。

秋田地方気象台の災害時気象資料のリンク

累積降雨量グラフ
一般財団法人河川情報センターのリンク https://www.river.or.jp/Con202307141300-202307161500rui.png

災害当時の時系列雨量図です。7.14夕方から雨が降り止まず、7.15深夜まで降り続けました。
記録的短時間大雨警報の例で見られる事が多い線状降水帯が今回は見られず、前線が停滞したことで長く雨が降り続いたのがわかります。

時系列雨量図

一般財団法人河川情報センターのリンク https://www.river.or.jp/Con202307141300-202307161500_10min.gif

4. 気象庁の会見(災害関連部分を抜粋)

タイムリーに行われた気象庁会見を、災害に関連する部分を吹き出しパーツを使って抜粋します。

2023.7.19 気象庁の会見(災害関連部分を抜粋)

記者
記者

Q:今回の東北の雨は、ひたひたと長雨型で、気象庁が重視している「線状降水帯」のパワーワードを使う前にいろいろと災害が起きました。
実際の気象庁の呼びかけと被害との間にギャップを感じるという声もあるのですが、その点についてはどう思われますか。

気象庁
気象庁

A:線状降水帯や一時的に猛烈な雨が降るという形だけに注目するのではなく、強い雨がある程度長時間続いて大雨災害が起こるという形を秋田地方気象台の情報では「警報の基準を大きく超えるような大雨となる」といった表現を用いて警戒を呼びかけましたので、表現を工夫しながら危機感を伝えていきたいと思います。

記者
記者

Q:秋田の浸水被害ですが、ハザードマップを見ると浸水が想定される地域が結構広がっていたと思われるのですが、それでも被害が出て事前の災害防止策に繋がらなかったように思われます。ハザードマップの活用について呼びかけがありましたらお願いします。

気象庁
気象庁

A:洪水・浸水の被害については、ご自分が住んでいるところにはどのような危険があるのかをハザードマップ等で確認していただくことが非常に重要だと思います。自分のところに潜在的な危険があるということを認識した上で防災気象情報を的確に使っていただくということが必要だと思います。

記者
記者

Q:秋田の場合は、短時間に一気にではなくて、じわじわと降り続けたわけですが、こういう時は住民が気づきにくいと思います。そこを気づかせるための工夫が要ると思うのですが、改善策は考えられますか。

気象庁
気象庁

A:「警報基準を大きく超えるような大雨になる」といったキーワードを使って地元でも呼びかけておりました。より伝わる表現について、いろいろ相談しながら改善していく必要があると思います。

気象庁長官会見要旨 (令和5年7月19日)より抜粋 https://www.jma.go.jp/jma/kishou/tyoukan/2023/dg_20230719.html


5. 豪雨から学んだ教訓

今回豪雨災害に遭遇して、反省すべき点や可能な災害対策を簡単にまとめたいと思います。

反省すべき点

  • 自宅の車が浸水する危険があった事
  • 排水できなくなりトイレが使えなかった事
  • 下水の逆流を想定していなかった事

可能な災害対策

  • 車を高台に避難する
  • 災害用の簡易トイレを準備する
  • 排水溝の逆流防止に水のう袋を準備する

車の車内への浸水はギリギリの所で免れましたが、車を早い時点で高台に避難させる事で被害を減らせる事がわかりました。実際に車が冠水した場合には廃棄費用が予想以上にかかる事もわかりました。
災害時、ご近所からの連絡で下水が流れない事がわかり、非常用トイレを災害時の必需品として用意することにしました。
1ブロック先のご近所では下水の逆流があり、風呂場の排水溝やトイレの逆流対策も必須とわかりました。災害後のTVでトイレや排水溝に水のう袋を詰める対策を知り、準備することにしました。

政府・行政のこれからの災害対策

災害後、国・県・秋田市は今回の災害を重く受け止めて「内水被害軽減対策計画」を策定し、スピード感のある対策が始まる事になりました。
10年後の対策完了時に、人智と自然との戦いの結末を入稿したいと思います。

秋田県庁WEBサイトへのリンク


6. あとがき ー 現実世界で生きること

最後に。
現実はアニメのような魔法も祈りも存在しない脆弱な世界です。
しかし、現実世界で生きていることは、自然に抗う強さ・努力する逞しさがあり、アニメには無いリアルの臨場感に溢れています。
アニメとは違う現実世界の素晴らしさを、皆で体験し実証しましょう。
では、またいつの日か。

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